2015年01月19日
ジャム道

車の温度計が27℃を示し、夏本番を体感中です。コタローは脱げない毛皮のコートをまといながら、板間にできるだけ張り付いております。
さて、我が家では里帰りの締めくくりにボーイズンベリージャム作りが恒例になっています。今年は義母療養中のため、義父が意気揚々とジャム作りを遂行しました。
朝食後「明朝10時よりボーイズンベリージャムを作る。台所に集合すること!」と厳かに宣言する父。
「あ…友達とお茶飲みに出かけるかも…」とお茶を濁した私に渋い表情の義父グレアム。
翌朝「よし!今日10時より…(以下同文)」夫「時間厳守!」ボーイスカウト出身の夫とかつて少年ラグビーチームコーチの義父は、私を隊員か部員扱いでもってジャム作りを強行。どこにも行きませんよ、今日は…。

2日前に摘んだ実をジャム専用鍋に投入し火にかけます。砂糖と1:1の割合。にえたぎる赤池地獄を薄ら笑いながら木べらで混ぜて鬼女気分。

その間に瓶をオーブンで温めます。冷えたままの瓶が熱いジャムとの温度差で割れてしまわないように。「あ、熱いよ、だ、出してくれよ…」と聴こえそう。辛抱辛抱。

動きたくて仕方ない総監督義母ジュディが「火を止めていいタイミングは、皿に少し取って斜めにした時に、表面に少し膜が見えたら…(腰に手を当て真剣に小皿を左に右に…)」この膜が美味しいジャムの秘密と心得よ、ということでしょう。

膜出現を確認し、サウナから瓶を慎重に取り出しジャムを詰めます。
隙間時間を使って、洗面所で顔面マッサージをしていたら、
夫「ハヤークシテクダサイ!オトウサン、マッテル!」
瓶詰めタイミングもまた大事らしく、急かされながら台所へ小走り。
赤池地獄の見たくれとは裏腹に、甘酸っぱい初恋の味と香りがそこかしこに広がります。それを、ジャム奉行が愛おしそうに汲み入れる姿は、アンパンマンのジャムおじさんにも似た柔和な表情。

ジャム専用セロハンに水を少しつけて、まだ熱い瓶に蓋をして完成。冷ましながら余韻にひたるべく数日台所でお披露目されます。
こうして出来たジャムはオークランドに帰って、新鮮なうちに友人たちに舌鼓を打たせるのでした。また、今年の世界の旅人おもてなしに影役者として活躍してくれること間違いなし。
一期一会。ジョンストン家ジャム作りは摘み、作り、詰め、口に運ばれて舌に残り記憶に残る出会い、まさにジャム道。と、何とも仰々しい一連のストーリーですね(笑)たまには表舞台に出してジャムさんに感謝をと思いご紹介いたしました。私もこの想いと味を後世に繋げたい、そう思える家庭の味でございます。
★今日のコタロー

ネコホテルより帰宅。ネコ社会で「飼い主に気持ちを伝える会話術」を学んだ様子。ニャアニャア言います。帰宅の夜、なんと2歳にして鳥を捕まえ差し出す行為を!ありがとう…でも鳥の命を大切にしたいの…と困惑する飼い主に気づいたかどうか…。

友人の猫ジンジャーは専らトカゲ狩り。