2014年07月13日
初郷友会 ニュージーランドより

望郷満ちて月満ちて、2014年7月12日、記念すべき 第1回NZオークランド奄美郷友会を開く機が熟しました。
やわらかい冬時雨の降る中、NZ在住30年以上で徳之島・奄美市に所縁のある稲村さん宅へ。稲村さんは、息子さんオークランド日本語補習校の卒業生で私が仕事をしていた関係でご紹介いただきました。当時はビックリ仰天!実家の隣組さんをよく知っているのです。

そんな話をしながら、まずはビールとみそピーナッツで乾杯。野山を自由奔放に駆け回った鶏丸ごと(サバイテいません…店で入手)を6時間煮込み、持参。ササミを割く作業はインガに。ここは家事好きなキウイハズバンドに丸投げです。実際に手塩にかけて作ったら鶏飯の味が深まりますよね…。

手を動かしながら日本の番組鑑賞。名を忘れてしまいましたが、カラオケの点数を競う番組で奄美民謡代表の城南海さんが優勝するというもの。感動のあまり録画を2度も観ました。

そうこうしているうちに昼寝を終えた2歳の息子さんをつれてもう一家族が到着。奥様の裕子ちゃんは与論島出身でしかも偶然にも同い年!ご主人の転勤でオークランドに来ています。奄美出身者は珍しいので、ご主人の上司から直々に私に紹介があり出会いが実現しました。
与論は沖縄文化の影響が色濃く、持ち寄りのフーチャンプルーや豚肉料理は新鮮な味わいでした。サーターアンダギーは与論ではテンプラと呼ぶらしく、懐かしい島のスイーツに舌鼓!

裕子ちゃんには仕上げに海苔を切ってもらい鶏飯は完成!
アメリカ奄美統治時代の話、稲村さんの幼い頃の奄美の様子、与論献奉、機内誌に紹介された与論の海、本茶峠やトンネルの話、山羊島トンネルを自転車でぬけることの憧れの話など思い思いにわきゃシマのムンバナシに花が咲きました。


事前に民謡や六調を調べたり練習したりしたのですが、6人しかいないのでチビッコと太鼓遊びをしたり、三味線をならして楽しみました。NZの牛の皮で作られた太鼓は音が低く、沖縄の三味線もやはり島のに比べて低くいので上手く形にならないなあ…と練習の段階で四苦八苦。次なる課題でございます。


ウナグらは二部式紬試着体験も。母が二年前に置いていった龍郷柄です。最近茶道のお稽古に着始めたのですが、皆さんが絹の触り心地と大島紬のきぬずれの音に感動されていました。私たちも、触れながらしみじみとただただ、いいないいな…と言葉なき言葉をつぶやいていました。

最後のしめは、パパイヤ。漬物でしかたべたことがないというと、長老稲村さんがタマガリ、熟したフィリピン産のを用意してくださいました。パパイヤには失礼ですが、熟したものはカラスか虫が食すとばかり思っていたのです。熟れたパパイヤは、まあまあ美味しいのですが、三つ子の魂百まで。漬物とお茶、クロザタのセットで舌が記憶しております。塩っぱさを求めてしまいますね…。
こうして時は経ち宴もたけなわとなり、残った鶏飯を持ち帰りパックに詰めて余韻土産にしました。
おぼろげに満月が雲間から顔をのぞかせている中、家路につきました。ずっとむこうの日本でも一つの月を観られるんですね。「島が恋しくなったら、その時が郷友会」
寂しくないように、新天地に早く慣れるために、私は望郷の想いにわざわざふたをしてきたのかもしれません。無い物ねだりをせずあるものを持ち寄り持ち寄り、奄美を懐かしんでいけばいいと蓋を開け放ってしまいます。
台風の季節、猛暑に夏日、どうぞご自愛下さいませ…
